アーク溶接初心者の皆さん、今日から初心者とはおさらばです!
「溶接が上手くなりたいけど練習の仕方がわからない」や「DIYの為に溶接をやってみたいけどやり方がわからない」などそんなお悩みを解決します。
この記事では16年間溶接工として務めてきた溶接のプロが簡単に溶接が出来るようになるコツを伝授していきます。
安全な溶接作業の基本から、技術の細部まで、初心者でも簡単に理解できるように解説します。
溶接の世界への第一歩を踏み出す皆さん、プロのテクニックを学び、明るい溶接ライフを一緒に送りましょう!
アーク溶接の基礎知識を知ろう!
こんにちは!アーク溶接について知りたいんですが、どうやって溶接が行われるんですか?
こんにちは!アーク溶接は、溶接材料と母材の間にアークを発生させて、その高温エネルギーで溶接を行う方法なんですよ。アークって聞いたことありますか?
アーク…電気のアークってやつですか?
そうそう、その通り!電極から放出された電流が母材と電極の間で放電すると、そこにアークが生まれるんです。そのアークの熱で溶接が行われるんですよ。
なるほど、それで金属同士が溶け合うんですね。溶接機ってどんなものを使うんですか?
溶接機は、電源と制御装置からなります。電源が電流を供給し、制御装置が溶接の電流や電圧を調整します。そして、電極を持つホルダーから電極が供給され、アークが発生するんです。
なるほど、溶接棒ってどんなものを使うんですか?
溶接棒は溶接材料のことで、溶接時に溶融して母材と溶接されます。溶接棒の選び方は、溶接位置や素材の厚さ・材質によって異なります。
そうなんですね。溶接って難しそうですが、基本的な手順は何ですか?
基本的な手順は、準備、点火、溶接、そして冷却の順で行われます。準備段階では、電極の準備と安全対策が重要です。
なるほど、溶接の基礎知識が少し理解できました。ありがとうございます!
どういたしまして!溶接は実際にやってみると理解が深まりますよ。安全に作業し、練習を積んでみてくださいね。
ワンポイント
・アーク溶接は電気アークを使用して金属を溶接する方法です。
・溶接電流が電極と作業物の間にアークを発生させ、その高温で金属が溶融して接合されます。
・溶接機は溶接電流を生成する装置です。
・電極となる溶接棒は溶接位置や素材の厚さ・材質によって選定が異なります。
アーク溶接のメリット・デメリットってあるの?
アーク溶接って、他の溶接方法と比べてどんなメリットがあるんですか?
アーク溶接のメリットはいくつかありますよ。まず、比較的安価で手軽に行える点が挙げられます。溶接機の設置や準備が簡単なので、DIYや小規模な工事でも使われています。
なるほど、手軽さがポイントですね。他にも何かありますか?
そうですね、もう一つのメリットは、溶接材料の種類に関係なく使えることです。様々な金属に対応できるので、幅広い用途に使われています。
なるほど、使い勝手が良いんですね。では、デメリットはどんなことがありますか?
デメリットとしては、高温のアークが発生するため、火災や火傷の危険性があることです。また、アーク溶接は溶接速度が比較的遅く、溶接距離にも制限がある
ので、大規模な作業には向かない場合もあります。
確かに安全性や作業効率の面で課題がありますね。それでも、簡単に使えるし、幅広い材料に対応できるのは魅力的ですね。
そうですね、アーク溶接にはメリットもデメリットもありますが、適切な安全対策と技術習得で、多くの作業に活用できる優れた溶接方法です。
ワンポイント
メリット
・比較的低コストで手軽に行える。
・多様な材料への適用が可能で使い勝手が良い。
・汎用性が良く様々な用途に応用可能であり、部品の修理や再加工など、多様な目的に使用出来ます。
デメリット
・火災や火傷、感電など作業者の安全上のリスクが生じる場合があります。
・熟練した技量が必要なため不適切な溶接は強度や品質に影響を与える可能性があります。
アーク溶接の基本手順はこれだ!
アーク溶接って、具体的にどんな手順で行うんですか?
アーク溶接の基礎知識でも伝えた通り基本手順は、準備、点火、溶接、そして冷却の順番です。そこでまず、準備段階では、溶接作業の安全を確保するために、適切な保護装備を身につけます。
保護装備って具体的には何が必要なんですか?
保護メガネや保護フード、耐熱手袋、そして防火服などが必要です。高温のアークや溶融金属から身を守るために、しっかりとした安全対策が必要ですね。
なるほど、準備が整ったら次はどうするんですか?
次は点火ですね。溶接棒の先端を溶接位置に接触させると電極が母材に触れることでアークが発生します。その後溶接が行われます。
アークって、すごく高温の火の玉のようなものですよね?
その通り!アークは非常に高温で、溶接を行うためのエネルギー源となります。溶接棒の先端が溶けて、溶融した金属が母材に塗りつけられるんです。
そして、最後に冷却っていうのは、溶接作業が終わった後のことですか?
そうですね。溶接作業が終わったら、溶接部を十分に冷却させます。これによって、溶接した金属が固定され、しっかりとした溶接が完成します。
なるほど、準備、点火、溶接、冷却の順番で行うんですね。分かりやすい説明、ありがとうございます!
どういたしまして!安全に作業を行い、溶接技術を上達させてくださいね。
ワンポイント
・溶接に必要な保護具は保護メガネ、保護フード、耐熱手袋、防火服。
・準備が整えば点火・溶接は一連の流れで行う。
・最後に冷却を行い溶接の品質を確認します。
アーク溶接のコツを伝授!
ここではよくあるアーク溶接初心者の悩みをプロの技で解決させていこう!
①溶接棒が鉄板にくっついてアークがでない
アークスタート時に溶接棒がくっついちゃうと、ちょっとイライラするよね。
でも心配しないで、そんな時のちょっとしたコツがあるんだ。
まず最初に確認することは、溶接面がクリーンかどうかだよ。
汚れや油、錆なんかがあると、溶接棒がくっつきやすくなるから、しっかりクリーニング
することが大事だよ。
専用のブラシやクリーナーを使って、溶接面をキレイにしてみて。
次に、アークスタートの時のポイントは、溶接棒の角度を進行方向へ30度~45度位に傾けて
溶接面に軽くタッチする感じで始めるといいよ。
そうすると、アークの発生がしやすくなるはずだよ。
それでもくっついちゃうときは、ちょっとテクニカルなことを教えちゃいます。
アークスタートする前に、アーク出し用の鉄板を用意して一度そこにアークを発生させるんだ。
アークがある程度安定したらそこから一気に溶接面に戻してみてごらん。
これで、スムーズにアークが発生させられるようになるはずだ。
焦ってしまいがちだけど、落ち着いて繰り返しやっていくと必ずうまくいくからね。
焦らず、着実にやってみよう!
ワンポイント
・溶接面を綺麗に掃除する。
・アークスタート時は溶接棒を30度~45度くらい傾けて溶接面をタッチ。
・それでも難しい場合は、アーク出し用の鉄板に一度アークを発生させてから一気に溶接面に
戻すやり方をやってみよう。
②溶接の進み方(運棒)がわからない
溶接初心者が被覆アーク溶接で運棒のやり方がよくわからないときは、まずはこれ
だけ覚えておこう。利き手の方向に進行することだ。
右利きなら左から右へ 左利きなら右から左へ これが被覆アーク溶接の基本的な
運棒の進行方向だよ。正確には後進法と言うんだけどね。
それで実際に運棒する時だけど、ホルダーの持つ手はリラックスして、握りすぎな
いように。ホルダーを持つのは、あたかもペンを持つような感覚でいいんだ。グ
リップしすぎると、手が疲れちゃうし、溶接がうまくいかないこともあるからね。
次に、アークスタートが出来たら溶接棒の角度を垂直から15度くらい進行方向に傾
けてゆっくり運棒してみよう。この時、アーク長とスピードを一定に保つことが綺
麗なビードを引くポイントなんだ。
でもね、最初はうまくいかないこともあるよ。溶接は練習と経験の積み重ねだか
ら、最初から完璧にできるわけじゃないんだ。失敗は成功のもとだから、諦めずに
コツコツと続けていこう。
ワンポイント
・利き手方向に進行させる。
・ホルダーを持つ手はリラックスしペンを持つような感覚でOK.
・溶接棒の角度を15度くらい進行方向へ傾けて運棒する。
・アーク長とスピードを一定に保つ事が綺麗なビードをひくコツ!
③溶接中はどこを見たらいいの?
これは初心者にとってはかなりの難題だと思う。溶接時に見なくてはいけないポイント
は2か所ある。
まずは、進行方向!
溶接棒の行く先をブレずに進んでいるかを見ながら運棒することだ。
そして2つ目が溶融池(プール)。
これは進行方向と反対側の溶着金属が溶けて丸く池の様になっている所だ。
このプールの形が綺麗な円の様になっているとビードの形状も整ってくるのです。
溶接中は同時にこの2か所を見ながら運棒をしないといけないのでかなりの習熟が必要
とされる所以。
だけど一度この感覚が身につけば自然と出来るようになるのも溶接の楽しい所でもある
んだよな。
あきらめずに楽しい溶接ライフを手に入れよう!
ワンポイント
・見る箇所は2か所。進行方向と溶融池。
・進行方向は溶接棒がブレずに進んでいるか確認する。
・溶融池は綺麗な円の様になっていることを確認する。
おすすめ溶接機紹介
近年DIYの人気でアイアン家具やちょっとした物を溶接で作りたいといったニーズが増えてきている。
そこで家庭でも使えて溶接初心者でも簡単に使える溶接機を一部紹介しようと思います。
ここから溶接の虜になるつわものが現れることを期待したいところだ。
家庭用アーク溶接機の紹介
スター電器製造 SUZUKID | STICKY80 | STK-80
超小型かつ超軽量で初めての溶接機によし。3つの機能で楽々作業
大きさ121×252×200mm・重さ3.8kgと、コンパクトサイズが特徴。入門機としてぴったりなロープライスモデルで、初めて使う際に便利な機能もついています。安全性を考慮した設計で、アースクリップつきコードとホルダーつきコードの2種が付属しているのもうれしいポイントです。
育良精機 アークファン | アークファン | IS-H40BF
冷却ファン搭載で作業効率がアップ
冷却ファンがついているため定格使用率がアップし、待ち時間も減少することで作業効率の向上が期待できます。溶接面や溶接棒などが付属しているため、購入後すぐに作業を始めることができますよ。過熱防止安全装置が内蔵してあり、オーバーヒートを未然に防げます。
家庭用半自動溶接機の紹介
溶接棒を使用しないタイプの溶接機で溶接入門者やDIYで小物の溶接などにもおすすめ
ハイガー・HAIGE産業 YOTUKA | 半自動溶接機 | YS-MIG100
出力調整が簡単でスムーズに溶接できる
フラックスワイヤを自動送りできるノンガスタイプなため、初心者でも感覚的に溶接できるのが魅力。30~100A間で出力を調整でき、ダイヤルを回すだけで簡単に設定できます。60Aであれば使用率100%なので、スムーズに作業を進めたいときに便利です。
EENOUR 半自動溶接機 | MIG-120L
強制空冷ファンを搭載し余裕の定格使用率40%を実現
1台でノンガスMIG・MMA・LIFT TIGの3つの溶接方式に対応可能。鋳鉄・軟鋼・ステンレスなど様々な金属が溶接できるので汎用性が高いです。強制空冷ファンを搭載し余裕の定格使用率40%を実現しており、雑貨・小物のDIYであれば連続して効率よく作業できます。
まとめ
・溶接の基礎知識を身につけて安全に溶接をしよう。
・溶接のメリット、デメリットを理解して適切な用途で使用することで本来の機能を発揮できる。
・基本手順を繰り返し練習することで技量は確実に上達します。
・コツを掴んで明るい溶接ライフを手に入れよう!
・この記事を読んで家庭でも溶接がやりたくなったら実際に溶接機を購入してみてバリバリ溶接を楽しもう!
おすすめの溶接機もこの記事で紹介しているので一度参考にしてみてください。
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